2009-01-22

新英和大辞典


人類史に記される歴史的転換点2009年。来る4月には、54年目に入ろうとする波乱万丈な僕の人生に付き合ってくれた奇特な相方がふたりいる。いや正確には1冊と1匹。その忠実な相棒君、1冊は1968年(昭和43年)、13歳の中1からの付き合いだから41年者。1匹は1998年(平成10年)、43歳の苦悶の離婚劇からの付き合いだから11年者。2204ページの「新英和大辞典」研究社と、つい一昨日、8年の任期満了でお辞めになった米大統領ブッシュさんもホワイトハウスで飼われていたファースト犬「バーニー君」と同種のスコティッシュテリア、我が愛犬「タロ」。辞典と愛犬。思えば19歳の同棲からこの歳まで、3回の結婚と3回の同棲。いつも直球勝負の夢中な恋の真剣勝負。34年間に6人の愛すべき女性と人生を寸分惜しまず伴に刻み分かちあった。しかし気がつけば傍にいつづけてくれたのは1冊と1匹。記録ついでに付け加えれば、23歳で初めて買った車VWシロッコから、この間24台の欧州車との出会いと別れ。さらに新築マンション3軒も。そう眺めると、1冊と1匹との出会いは添い遂げる相方 MY TRUE CONFIDANTS 。ただ、タロは、よくてあと5~6年のお付き合いだろうけれど。となれば、棺おけを伴にするのは英和辞典か。まぁ~生涯、5歳児。子供のような好奇心の象徴が辞典なんだろうからお似合いのカップルか。と、往生し天寿をまっとうしたいものだが、まだまだ一寸先は闇か明かりか何が起こるかわからない紆余曲折の長旅は、これからも抱腹絶倒!刺激満点に TO BE CONTINUSE さ。


「新英和大辞典」2204頁 研究社辞典部発行 第4版 昭和43(1968)年印刷 定価3500円。

この辞典を買いに行った日の事はクリアな映像でアーカイブされる。当時の札幌で、こんな辞典をあつかうまっとうな本屋といえば、3軒しかなかった。1軒は中心部の4丁目で三越と並ぶ「丸善」。地元組では三越の向い、東京でいえば、地価の物差しに使われる銀座の鳩居堂のような「富貴堂」と琴似駅前商店街にあった質実剛健な「くすみ書店」。参考書を買うとなれば、位置的には正反対の「富貴堂」と「くすみ書店」を行きかい品定めをしなければならなかった。紀伊国屋が出店したのは1972年の札幌オリンピックを前に整備された地下鉄と地下街誕生期。その後、旭屋書店、三省堂、などのナショナルチェーンが出店する。地元の名士「富貴堂」は、札幌オリンピックが終わって3年後の1975年、渋谷についで全国で2店目となる札幌パルコ出店時に等価交換で建物内に吸収されて、その名も消えた。 この英和辞典、アポロの月面着陸と、その世界同時生中継という2つの人類初が記された1968年の夏、欲しくて欲しくて何度も店に通っては迷った、むくな13歳の少年には高価な3500円だったのだ。
追伸  あの日から18年後の1986年、今のところの僕的建築の快作「PARADE」が、パルコの真裏に、まるでパルコ・エイドのように竣工した。当時31歳。僕の渾身の「パレード」は今でもかくしゃくと現役で生きている。



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