2009-01-21

怪盗ジバゴ


「怪盗ジバゴ」 北杜夫 文藝春秋。
人生でこれほど可笑しい小説を僕は未だ知らない。と、豪語したところで小学校卒業以来、ほとんど本を読まない身では、まるで説得力激薄なんですがネ。そこで、「帯」を全文記載するので、いかに、おかしそうか?を想像してみて下さいな。写真は1967年(昭和42年)初版本。私は12才だった。小6?中1? 何だか去年から今年にかけて、映画人&資本人たちは「20世紀少年」だの「怪人20面相」だの「鉄腕アトム」だのと、ハリウッドまで巻き込んで、我が純朴な少年期を強欲にも商売のネタにして騒がしいけれど。北杜夫の傑作。愉快作の金字塔。これを読めばTKOまちがいなし。

さて、その「帯」全文。

いかなる探偵小説愛好家もガックリくる
史上最大の怪盗出現!
明智小五郎 ルパン ボンドも登場する

奇想天外の痛快物語!

怪盗ジバゴの身の上書
[本名]不明。 [異名]サン・アルナウ伯。アジア・ブジバ・タルタルロー。怪盗ドドンパ等等。百の異名と渾名がゴマン。 [人相・年齢・国籍]不明。瞳の色から骨格まで変える変装術により、怪物フランケンシュタインにも、絶えいるような美女にも化ける。 [特技]「開けジバゴ」の呪文でどんな堅牢な錠前もあける。その他、飛行機の操縦からダイコンおろしのすり方に至るまで、文武百般可ならざるはなし。 [業績]銀行を破産させること百三十八回。内閣総辞職に追いこむこと三回。更迭せしめられた警視総監その数を知らず。 [逮捕歴]八十六回。但しいずれも別人だった。 [性格]優雅な完全主義者。 [人気]絶大!


まぁー 万事がこんなあんばい。

表紙を開ければ、もう、のっけからアクセル全開!抱腹絶倒の舌ットコースターは息を呑む間に最終章へ。あらゆる想像を裏切る美しいラストはエスプリの極致。作者 北杜夫は、まるで文字の漫画家?オトナの言葉のファンタジスタ!天才小説家であることに感嘆必至だ。これで御代が350円なりとは、言葉のエンタメは安価なりアッパレ。



4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こちらでは、お初です。
最近20世紀少年にハマッたわたしです。

帯の部分を読ませていただいて、
読んでみようとおもいます。
まずは、探しに走ります。

OKADA YOSHITADA さんのコメント...

最初のページで笑いにかかると、もうあとは、その勢いでラストページまで時を忘れてエクスタシーの頂上まで。そんな洗練されたギャグ小説。こんなのないです。全ページ見事な黄ばみの42年モノでよければご結婚祝いに贈りましょう!

匿名 さんのコメント...

えっ!そんなレアなものを・・・

とおもいつつ
いただけるならば是非!
というわたしと、ふたり。

早速さがしたのですが、
アマゾンでも2000円からの代物ですよ。
しかも初版となれば、、、

しかし、正直欲しいです(笑)
何より読みたいです!

OKADA YOSHITADA さんのコメント...

以前、話したとおり、5トントラック2台分のヘンタイオカダ文庫の中身は、ざっとこんな世界でした。(笑)。
物は写真のとおり、コンディション極悪のトリプルCクラスですが、袖触れ合うも何かのご縁、ここはひとつ寿にあやかり、ご結婚祝いにお贈りいたします。目出度し目出度し。

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